巡る季節

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…今、何と!? 時間と一緒に心臓までもが止まってしまいそう。 成瀬さんはパスタソースをもう一口指ですくって舐めた。 「やっぱ、ウマい。」 「…よ、よかった。」 …あれ? …聞き違いだった? 普通の会話が私を現実へと連れ戻そうとしてくれる。 …なんだ。 …ビックリした。 「じゃ、オッケーってこと?」 「…何が?」 「何がって、一応、人生初のプロポーズしたんだけど。」 …聞き違いなんかじゃない。 …夢なんかじゃない。 …これは現実。 「…夢じゃないよね?…本当だよね?…私に言ったんだよね?」 涙が溢れてくる。 「はあ?何言ってんだよ?」
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