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「…前にさ、ゆいが言ってたこと…、美月さんのお店で。あれ、わかったかも。」
「私が…言ったこと?」
「うん。好きな人に料理を食べてもらって、『おいしい』って言ってもらうのは…『愛してる』の代わりだっていうやつ。
…私…成瀬さんにご飯作って、成瀬さんが『おいしい』って言ってもらうの…ホントに嬉しくって。もっとたくさんいろいろ作りたくて、料理の本とかたくさん買ったりしたんだけど…成瀬さん、そんなことしなくていいって。
これから先、長いんだから…少しずつ増やしていけばいいって。
焦がした魚もハンバーグも、いくつでも食べてくれるって。
…私、本当に…感動しちゃって…。それが本当の『愛してる』なんじゃないかって。」
そう言いながら美咲の目は少しだけ潤んでいたようにも見えた。
私たち三人は三人で目を合わす。
「…女って…、料理って…。」
美月さんが言った。
「最高ね!」
「サイコー!!」
「最高!」
私たちの声にリビングの男性陣が不思議そうにこっちを振り返っていた。
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