足音

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こたつの台いっぱいに広げられたご馳走は、彩りも華やかで、この静かな離れの落ち着いた空間の中で、俺たちを祝福しているようだった。 ゆいもはしゃいで箸を進め、さっきまで俺の下で声をあげていた女のゆいは、無邪気な子供のようだった。 「心音ちゃん、すっかり大きくなりましたね。丸々してきてかわいいの。ぽにょぽにょ。」 「そうだな。しばらく見てないと会ったときにびっくりするな。」 「赤ちゃんて、成長が早いですもんね。」 「…なあ、ゆい。赤ん坊のことだが…もうそろそろいいんじゃないか?」
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