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「…え。」
「結婚してから会社の仕事も上手く回してきた。同じ部署だからって、会社では上司と部下でちゃんといられている。社長も…まわりもそれを認めてくれていると思う。
ゆいだって、いつか来るその時のために、自分の仕事を市川にも出来るように少しずつ準備をしてるし、…そろそろ、会社だけでなく、俺たちのことを考えよう。
…姉貴たち…心音を見てると思うんだ…俺も自分の子供が欲しいって。」
「…秀一さん…。…いいんですか?」
ゆいは箸を止めて聞き入っていた。
「ああ。ゆいが心も体も準備が出来てればな。」
「…私も欲しい…。秀一さんと私の赤ちゃんが…。」
ゆいのその柔らかい笑顔は、一瞬だけ姉貴の笑顔と重なった。
母親になることを望む、女神のような笑顔だった。
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