足音

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もともと生理不順でも何でもない私はもちろん基礎体温なんてものはつけてないし、あまり生理のことは気にしていない。 毎月来るのが当たり前だと思って過ごしていて、当たり前ずぎて来なくても気付かなかったの? それを部長が気付くなんて。 「…よく気付きましたね…。」 「ここのところ夜、ダメって言われないから。」 …そういうことですか。 でも、待って。 来てないってことは…。 部長の顔を見ながら自然と手はお腹の上に重ねられた。 「…嘘…。」 心臓が波打って、今まで何ともなかったのに、この瞬間に自分の体に変化が起こったような気になってくる。 私のドキドキを落ち着けようとしてくれてるのか部長の深い笑顔が私に向く。 「…俺たちのところにも…来たのかな。」
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