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そして、数日後。
社長からの正式な了承を得て、藤森は経理室に席を構えていた。
もともと、時差の時などのために総務には受付係が出来る者が何人かいたので、受付の引継ぎは難しいものではなかった。
…難しいのは…こっちだった。
「えーーー!全然わかんない!!私、大丈夫かな!?」
「大丈夫ですよ!藤森先輩!!私だってやってるんですから!」
「うん!頑張るからよろしくね!」
「はい!」
…経理室が藤森と市川の声でさらににぎやかになっていた。
けれど、藤森はただのにぎやかしではなく、本気で取り組もうとしていた。
ゆいの仕事を藤森に…というのは難しいので、市川の仕事の一部を動かすことにした。
池口は女の気迫に押されながらもサポートしつつ、淡々と仕事をこなしていた。
彼ももうずいぶんと頼りがいのある男に成長していた。
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