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それは、部長が帰って遅い夕飯を一緒に食べていた時のことだった。
鈍い痛みがお腹を包んだ。
最初は気のでいかなと思った。だけど、どうやらそうじゃないみたい。
箸の止まった私に部長が言う。
「どうした?」
「…秀一さん。…始まったかもしれないです。」
私の言葉に部長が目を見開いた。
「…大丈夫か?病院だな?病院。」
「まだ、大丈夫ですよ。痛みの間隔の時間を計るんですよ。今のうちにご飯も食べて、シャワーも浴びちゃいます。」
「そ、そんなことしてていいのか?」
「いいんですよ。秀一さんだって読んだでしょう?今はまだ、生理痛みたいなものです。とにかく食べましょう。」
「あ、ああ。」
それからの部長はご飯を味わうどころじゃないって感じだった。
私は妙に落ち着いていて、緊張はしてたけど、出産の時の美月さんの姿を思い出していた。
そう、落ち着かなきゃ。
私はご飯を食べ終えると、片付けを部長にお願いしてシャワーに向かった。
そして、いつでも病院に行けるように荷物の最終確認をして部長とソファに落ち着いた。
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