失恋は海の味?

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「はは。 泣き虫流ちゃんか。 懐かしいな、その通り名」 あたしはてっきり彼のプライドを気づつけてたと思ってたけど案外流ちゃんはケロッとしている。 ……ていうか、無邪気に笑ってますねぇ。 「すっかり大人になってて気付かなかったよ」 流ちゃんじゃなくもう流さんだね。 女の子よりも可愛かった流ちゃんが凄くイケメンになってて……。 いや、イケメンに成長する素質十分にあったんだと思う。 そして何だかキザな事まで覚えちゃってさ。 でも嫌味に聞こえないから不思議。 「俺もだよ。 海ちゃん、綺麗になったモン」 そう言って流ちゃんはあたしの頭を撫でた。 えっと、その手って砂が少しついてなかった? まぁ、そこは大目に見てあげよう。 流ちゃんの優しい手の温もりに免じて許しておく。 「褒めても何も出ないよ?」 流ちゃんってばこんな歯が浮くような事何処で覚えちゃったのかしら? ……言われて悪い気はしないけどね。 「ホントだよ。 昔から綺麗だったけどより一層磨きがかかったよ」 腕組みをしあたしをマジマジと見ながら流ちゃんは頷いている。 「……フラれて綺麗になったかな」 恋して綺麗になったんじゃなくってもしかしたら元カレと縁が切れたから綺麗になったのかな……なんちって。
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