私と君と

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 皆さん、ついにゴールデンウィークが始まりましたね!ご家族で旅行ですか?友達とお出掛けですか?羨ましい。  私はと言うと。 「あ、麦茶いるかー?」 「お構い無くっ!」  彼とまさかのお家デート……。  いえ、良いんですよ?別に、お家デート。ただ折角のゴールデンウィークなのに、とは思ってしまう訳です。  ほら、道も混んでますし?何処も人で溢れてますし?気を使わないで済みますし?  ……無理だっ! 「あの」 「んー?麦茶か?」 「どんだけ麦茶飲ませたいんですかっ!?違います!」  私が声を掛けた=麦茶とは、うちの彼氏様はどうにも天然を拗らせてらっしゃるので困りますね!  しかも彼女が居るのに呑気にソファーで読書って、どうかと思います! 「じゃあ何さ、お腹空いた?なんか作る?」 「そうではなくてですね……」 「あー……うん、TSUTAYA行く?」  何度でも言いましょう、うちの彼氏様は見事なまでに天然を拗らせてらっしゃいます!  お出掛けしたい意図を汲んでくれたのは及第点としましょう。  でも、TSUTAYAって……結局お家デート延長じゃないですか!? 「あのですね、私達付き合ってますよね?」 「え?あぁ、俺もそう思ってるけど」 「ゴールデンウィークですよね?」 「いやー、俺もバイト休み取れて良かったわ」 「折角のお休みですよね?」 「うん、だから二人っきりが良いじゃん?」 「……はぁ?」  いや、その、ですね。不意討ちは卑怯と言いますか、な……何を急に甘ったれた雰囲気を。誤魔化されませんからねっ! 「んー、ほら。まだ外じゃ照れちゃってくっつかせてくれないじゃん?」 「いえ、まぁ……誰か知り合いとかに見られてしまうと大変気恥ずかしいと言いますか……」  あぁぁ!ダメだ!流されるな私!此処で引き下がる訳には行きませんっ! 「でもっ!ゴールデンウィークなら外はカップルで溢れてますし……その……少しくらいなら……」  自分に及第点をあげたいです……頑張った私。そもそもお付き合い自体初めてでして……今も異性のお部屋に居るだけでソワソワが止まらないのですよ! 「……あ、ちょい」  え?あれ?ちょ、なんで近付いて?待って待って!心の準備がぁぁぁぁぁ!?
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