あなたの頭が欲しい……。

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「……だから言ったのに。 嘘をついたらいけませんね。 クスクスクス……」 黒いフードの女は一連を見て満足そうに肩を震わせて笑っている。 「…………」 あまりにも残酷無慈悲な女の行動にみんな言葉を失い立ち尽くしていた。 「さぁ、あなた達も頭を失いたくなければ早く去りなさい。 まぁ、出口がわかれば……のはなしだけどね」 美奈以外の三人を見ながら黒いフードの女はなおも淡々と言う。 「お前、何者だ! そもそも何で美奈の名前知ってるんだよ!」 やっとの思いで言葉を発した強は女に飛びかかった。 ガサッ!! 強は容赦なく女の黒いフード付きコートをはぎ取った。 女の腰まで長い市松人形のような綺麗な黒髪が現れた。 フード付きコートをはぎ取られた女は咄嗟に顔を隠すかのように下を向いた。 パサ…… 女は乱れた髪をかき上げ顔をあげた。 「か、顔がない……」 女の顔を見た強は焦り背中から脂汗が噴き出したのがわかった。 女には顔がなかった。 あるべきはずの顔のパーツが全てなくのっぺらぼうだ。 直子を抱えたまま伊月も驚きを隠せないでいた。 「……見たな」 フード付きコートを拾い上げ女はフード付きコートを着て軽く身なりを整えた。
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