あなたの頭が欲しい……。

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――とある森―― 四人の男女は迷い込んでいた。 「お前がこっちって言っただろ?」 気の強そうな黒髪のツンツン頭に背が高く筋肉質な鋭い目を持った男・強(つよし)が隣にいたこの森には不釣り合いな格好をしたお洒落な女、中背ですらりと伸びた手足と凛とした瞳、黒く長いストレートロングの髪が特徴的な美奈(みな)を責める。 「アンタだって同意したじゃない!」 責められた美奈は強に言い返す。 「責任のなすりつけ合いはよせよ」 二人の言動を見て少し長めにカットされた黒髪に強よりは少し低いが割と背が高くインテリ系の眼鏡がよく似合う男・伊月(いつき)は制止する。 「お前傍観者のつもりかよ?」 強は伊月に言い返す。 「そんなん事言わないでよ。 ここでもめても仕方ないでしょ?」 小柄でセミロングの黒髪を後ろで丁寧にまとめて団栗眼が可愛い気弱そうな女・直子(なおこ)が仲裁に入る。 「……クソッ」 強は近くの木を殴りつける。 「これじゃ、折角のダブルデートが台無しよ……」 八当たりする強を見ながら美奈は嘆く。 そう今日は美奈が言う通り『ダブルデート』のハイキングに来ていたのだ。 美奈と強。 伊月と直子。 元々は仲良し四人組だった。 ……いや。 五人組だった。 小学入学以来、高校二年生になった今でも仲良しの関係は変わらなかった。 いつの間にかカップルになってそして……。 共通の『秘密』を握ってしまった。
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