あなたの頭が欲しい……。

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「……ごめんね」 今回のダブルデートの言いだしっぺである直子は謝った。 「謝らなくていいのよ。 直子はあたし達の事気にしてくれてたんだもの。 ありがとね」 そう。 直子は美奈と強が最近ぎこちなかったのを気にしてからこの企画を立てたのだ。 「迷ったのは想定外だったがな」 嫌そうに強は言う。 元々強はこのハイキングにあまり乗り気ではなかったのだ。 「そんな事……言うなよ」 チラリと直子を見て気遣いながら伊月は強を制する。 「だからあたしはハイキングなんて反対だったの」 プイッと美奈はそっぽを向く。 「嫌なら来なきゃよかったんじゃないか?」 悪態をつく美奈に強は自分の事は棚に上げ言い返す。 「この子のメンツ潰すわけにもいかないじゃん」 美奈は直子を指さした。 「…………」 気まずそうに直子は下を向く。 「気にするな」 俯く直子の頭を伊月は優しく撫でた。 「……その格好がハイキングに来る格好か?」 ヒラヒラしたスカート姿の美奈を見て強は溜息をついた。 「煩いわね! キャ!」 強の言葉に腹を立てた美奈は何かにぶつかった。 ゴロン…… ぶつかった衝撃で地面に何かが転げた。 「頭!」 人の頭のようなものが転げ一同は息をのんだ。
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