あなたの頭が欲しい……。

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「そうなんですか……」 淡々とした女の口調と今の状況から直子はガックリと肩を落とし大きく溜息をついた。 控えめだけど後ろ向きな事はあんまり考えない直子の落胆した表情をみて他の子達も戸惑いを隠せないでいる。 「私がここから出るお手伝いしましょう」 女は黒いフードからほっそりとした白い腕をスッと出し前方を指さした。 「ホントですか! 助かります!」 希望がもてたのか伊月は満面の笑みを浮かべ深々と頭を下げた。 「ありがとうございます!」 伊月に続き直子も頭を下げた。 「コイツ信じていいのか?」 黒いフードの女を信じていない強は疑いの眼差しを向ける。 眼差しを向けられた女は顔を隠すかのようにフードを深くかぶりなおした。 「仕方ないじゃないの?」 腕組みをし美奈は黒いフードの女をジッと見る。 「…………」 下を向いていた黒いフードの女はふとある一点を見つめた。 その視線の先には先程の地蔵の頭が無造作に転げていた。 「あ……。 それは……」 黒いフードの女の視線に気づいた伊月は言葉を詰まらせた。 「どうして地蔵の首がもげて頭が転げてるんですか?」 黒いフードの女は一点を見つめたまま尋ねる。 「し、知らないわよ」 罰が悪くなったのか当事者の美奈が真っ先に答えた。
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