あなたの頭が欲しい……。

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「本当ですか?」 黒いフードの女はゆっくりと美奈の方に視線をうつした。 「知らないって言ったら知らないの!」 黒いフードの女の言葉に美奈はムキになる。 「……貴女は嘘をついてます」 口調を変えずに黒いフードの女は言う。 「どうしてわかるのよ!」 今にも女に掴みかかりそうな勢いで美奈は怒っている。 「知らないっていってるじゃないか。 なぁ?」 美奈を援護するように強は言い伊月にふる。 「…………」 答えを出せない伊月。 嘘をつき続けていいものなのか伊月は葛藤していた。 「何で黙ってるんだよ! ダチだろ!」 ガシ!! 強は伊月の胸ぐらを掴む。 抵抗する事もなく伊月は強を見ている。 「チッ……」 伊月の気持ちを察したのか強は舌打ちをし伊月から手を離した。 「そんなの……」 伊月をかばうかのように直子は何かを言おうとしたが言葉が出なかった。 「耳を澄ましてごらんなさい」 黒いフードの女は相変わらず落ちつた口調で言う。 『勝って嬉しいはないちもんめ……。 負けて悔しいはないちもんめ……』 低い声が地の底から聞こえてくる。 「え? 何この声……」 どこからともなく聞こえてくる声に美奈は辺りを見渡す。
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