第1章 何と言っても始まり

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******** まだ、寒さが残る春のこと 高校生は新学期に浮き足立ち、卒業生はそれぞれに自分のやるべきことをこなし始めたこの頃 私はこの、北高校に足を踏み入れた 今年で高校1年生 私、佐々木 麗(ささき うらら)はこの学校の普通科に入学した 「あ、桜…」 見事なまでに咲いている満開の桜 その通りを歩く私と、生徒であろう人達 人見知りである私はそこを歩くのでさえ、もう嫌だと感じていた 目の前には高々とそびえ立つ高校 「はぁ…」 ため息を1つついた時、 「あ、あのぅ…」 誰かに呼ばれた 振り返ると、見知らぬ男の人が立っていた 背が高く、見上げなきゃ顔が見えないような彼を見ると彼は赤くなりながら、 「…ファスナー、あいてる…よ」 …これが、私達の始まりだった
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