彼の復讐

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それは呼び付ける 必要がなくなるからだろう。 何の譲歩にも 解決にもなっていない。 だめだ。 話せば話すほど 言葉を交わせば交わすほど 苛立ちは増していく。 でもその 苛立ちのおかげで 身の内の熱は いつの間にか霧散していた。 手早く身なりを整え 元々部屋にあった鏡で 口紅を引き直す。 ここでの情事の跡を 消すことにも 慣れてしまった。
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