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広い胸を
ドンと強く叩くと。
彼は私を
あっさりと解放した。
「早く諦めて
私の秘書になりなさい」
ルージュの移った
唇を歪めて笑い。
温人さんは扉を閉めた。
廊下に残された私は
濡れた唇を噛み
エレベーターへと
足を踏み出す。
もう一度
口紅をひき直さなければ。
苛立ちを
歩調に乗せて
彼のオフィスをあとにした。
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