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【白雪】は、せっせと【茶鼠】のサラダを消費している。
「ほら【白雪】、ホッペにドレッシングが付いてますよ」
そう言って、【蒼】が【白雪】の頬を舐めた。
「んっ」
それを意に介さず、【白雪】は「トマト嫌い」とボヤいて食事中だ。
そして、【蒼】と同じようにチョコラテを飲み干す。
悪党は何故か、甘い物が大好きなのだ。
だからマンガ喫茶【茶鼠】では、甘味処が和洋を問わず注文出来る。
凝り性の【茶鼠】が、腕によりをかけて作るものだから、旨い事この上ない。
「マスター、チョコラテのおかわり、ダブルでお願いします」
【白雪】がツーフィンガーを立てる。
「あいな!」
寿司屋のように景気の良い掛け声だ。とてもマンガ喫茶とは思えない。
「そういえばマスター、【赤ずきん】を助けた男が邪魔をしました」
チョコラテを持って来た【茶鼠】に、【白雪】が昨晩のことを話した。
「そりゃ【鉄錆(てつさび)】だな」
犯罪ギルドでは、悪党を呼称で呼ぶのが習わしなのだ。
特にランクの高い悪党は、色彩に由来した【悪党名(ピカレスクネーム)】で、畏怖を込められて呼ばれる。
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