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「やはり、只者ではありませんね」
チョコラテを飲みながら、【蒼】は静かにつぶやいた。
「その【赤ずきん】と【鉄錆】なんだけどよ──」
【茶鼠】が言葉を挟んだ。
「【白雪】ちゃんと【鐡】に、最高評議会から遣いが来てるぜ」
現代は情報化社会である。
ネットとSNSの普及で、個人情報が瞬く間に情報が世界を駆け巡る。
それは同時に、情報漏洩化社会でもある。
すべからく、発信された情報は漏れ無く検閲され、監視の対象となる。
古くは『エシュロン(Echelon)』から『プリズム(PRISM)』まで、メールからSNSと情報と名の付く物は監視されているのだ。
犯罪ギルドの者が直接出向き、人間同士の遣り取りで情報交換するのは、このような背景があるからだ。
マンガ喫茶【茶鼠】のビルの最上階に、特別迎賓室が設けられている。
【白雪】と【鐡】、それに【蒼】は特別迎賓室に入室した。
紫の絨毯、紫の壁、紫のシャンデリア、何もかも紫で統一された部屋。
その上座に玉座のような椅子が、ひとつだけ絶対物のように据えられている。
その玉座に君主の如く座る者が、おそらく最高評議会の遣いだ。
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