episode;1 宙を舞う

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「畳ももうボロボロだな・・・。」 茣蓙で隠された畳の傷みを眺めつつ、ひとまず掃除機をかける。途中、画鋲を数本足の裏に刺してしまったのだが、両足に地味な穴が出来てびっみょうな傷みをその足の裏に刻んだ。非常にやめて頂きたい話である。 窓を全開に開け、ベランダに乗り出して茣蓙の埃を払ってまたそれを敷いた。カラーボックス2つを元の定位置にもどし、分厚い本をガンガン入れていく。ピシピシという素晴らしい音と共に亀裂が入ったが、「まぁそれも運命だと諦めてくれたまえ。」と訳の分らない事を口走り、若干そんな自分が恥ずかしくなった。 ・・・が、どうせ僕は厨二病だから。と考えるのを止めてしまった。 ベッドが入りきるギリギリの位置にメタルラックを置く。PCのモニターが寝ながら見えるベストで尚且つ、生活拠点が全てベッドの上になる『どんと来い!寝落ち!』環境になるのである。ちなみに枕元にはノートPCが置かれる。 メタルラックには基本的なPC周辺機器、モニター、ネットワーク機器が全て集約される。電源コードはどうしてもベッドの下を通す形になってしまうのが、コンセントが1カ所しかない3畳の残念な部屋の特権だろう。 ・・・そんな特権全く要らないのだが。 壁コンセントに節電タップのコネクタを刺して通電チェック。機器の連動チェック。 よし、出来ている。 一度ノートPCも部屋に入れてしまおうと思っての事だった。 部屋に入り、2~3歩歩いたときだった。
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