371人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?」
「俺の名前。渉斐って言うんだよ。俺、“生徒会長” って呼ばれんの、学校だけでうんざり」
と言った彼は、グラスに注いだオレンジジュースを綺麗に飲み干した。
長い指先が持て余すようにテーブルにグラスを置くと、今度はその指が濡れた前髪を掻き上げる。
……女の人みたいに細くて長い指に見惚れていると、言葉を続ける生徒会長。
「アンタ、名前は?」
……あ、
そう言えば、まだちゃんと自己紹介してなかった気がする。
でもあたし……自分の名前、あんまり好きじゃないんだよねぇ……。
あたしがもじもじしていると、生徒会長が痺れを切らしたように口を開く。
最初のコメントを投稿しよう!