意地悪な天敵

13/38
前へ
/38ページ
次へ
「俺、病院乗っ取るの止めたから」 「へっ?」 その言葉に不思議な顔をしていると、……綺麗な唇からはとんでもない言葉が吐かれた。 「もっと面白い事、見つけたから。アンタの親父から、お袋さんを奪う事にした」 な、何ですって? ……あまりに衝撃的な言葉。 その言葉に、思考回路が追いつかない。 「アンタのお袋さんが俺から父親という存在を奪ったんだ。だったら次は、アンタから“母親” という存在を奪ってやるよ」 「ちょっと、待ってよっ」 ドンッ! 怒りに身を任せてテーブルを思いっきり叩いたあたし。 ……その衝撃で、空っぽになったグラスが氷の音だけを響かせる。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

371人が本棚に入れています
本棚に追加