意地悪な天敵

16/38
前へ
/38ページ
次へ
ママがやっと振り返ったけど、その先の言葉が見つからない。 そんなあたしに、ママは笑顔で言葉を紡いだ。 「月優ちゃんも、お風呂に入ってきたら? それから、ご飯のお手伝いでもしてくれると、ものすごく助かるんだけどな?」 「……はい」 ……駄目だ。 ママは天然でノー天気だから、この要注意人物の正体に気づく事はないだろう。 「はぁ……」 と大きなため息を吐きながら、階段を上って自分の部屋に向かうあたし。 部屋へ入って、クローゼットの中の透明ボックスの引き出しを開けた。 そこには、お気に入りの下着がいっぱい詰まっている。 ……大切なコレクションなのだ。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

371人が本棚に入れています
本棚に追加