意地悪な天敵

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「とにかく、部屋から出てよっ」 「嫌だね」 と渉斐さんが、目の前で意味深に笑った。 「じゃあ、月優が出て行くもんっ!」 と言って立ち上がると、突如腕にした違和感…… 強く腕を掴まれてると気づいた時、赤面してしまった。 「お前さぁ、お袋に似てねぇーよな?」 「へっ!?」 「お前のお袋、妙に男が好きなオーラっての、放ってんじゃん? でもお前、ちっともそういうのがないよな?」 はいい? 何よ、それ。 ……男が好きなオーラって、一体何色なのよ? そんなの知らないもんっ!! 「それに、すっげぇそそられる……」 とすぐに渉斐さんが付け足した言葉に、目を大きく見開いた。
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