意地悪な天敵

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「ちょっと待ってママッ! 醤油なら月優が買いにっ……」 だってよく考えたら、あの人とまた二人きりになるなんて、冗談じゃないもんっ! でも、 「あ、」 ドアを開けたあたしと目が合ったのはママではなく、驚いた顔して洗面台の鏡の前で立っている渉斐さんだった。 ……う、そ? 「きゃあああああぁあぁっ……!!!!!」 ママじゃなくて、何でこの人がここに??! ってか、見られた――――……っ!!! 渉斐さんは、 「五月蝿ぇーんだよ、バーカ!」 と無表情な顔を作ると洗面台に置かれていたブレスレットを手にして、何事もなかったかのようにバスルームから出て行ってしまった。
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