意地悪な天敵

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目の前まで距離を詰めた渉斐さんは、そのまま皮肉に笑う。 口の端を上げる笑い方に、まるでバカにされたような気がした。 「男と女じゃ、見られた重みが違いますっ!」 「それは、お前が女だったらの話だろ?」 「えっ?」 「だってお前、乳ねぇーじゃん」 「あああああっ!!!」 渉斐さんのその言葉に、今度はポストみたいに顔を赤くした。 やっぱり、やっぱり、やっぱり、やっぱり、 見られてた―――っ!!! 渉斐さんは、「べ」とキレイな舌を出すと、余裕の笑みを浮かべて、今度こそキッチンへ戻っていった。 あたしはこの後、渉斐さんとどうやって食事をすればいいのか分からなくて、急いで部屋に駆け込んだ。 もう、ここから消えちゃいたいよっ!
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