371人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前まで距離を詰めた渉斐さんは、そのまま皮肉に笑う。
口の端を上げる笑い方に、まるでバカにされたような気がした。
「男と女じゃ、見られた重みが違いますっ!」
「それは、お前が女だったらの話だろ?」
「えっ?」
「だってお前、乳ねぇーじゃん」
「あああああっ!!!」
渉斐さんのその言葉に、今度はポストみたいに顔を赤くした。
やっぱり、やっぱり、やっぱり、やっぱり、
見られてた―――っ!!!
渉斐さんは、「べ」とキレイな舌を出すと、余裕の笑みを浮かべて、今度こそキッチンへ戻っていった。
あたしはこの後、渉斐さんとどうやって食事をすればいいのか分からなくて、急いで部屋に駆け込んだ。
もう、ここから消えちゃいたいよっ!
最初のコメントを投稿しよう!