意地悪な天敵

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ベッドに身体を預けて、布団をつっ被ろうとした瞬間、 部屋のドアが開いて、「入るよ?」って、パパがやって来た。 突然パパの登場に驚くあたし。 今日はいつもより全然帰りが早いからだ。 「パパ!」 「月優、ママ知らない?」 「あ、醤油を切らしてて……買いに出たみたい」 「そ」 用件を済ませたパパは、ニコニコしながら部屋を出て行こうとする。 そんなパパの背中を呼び止めた。 「ねぇパパ!」 「ん?」 パパはあたしの声に、瞬時に振り返る。 そんなパパと目が合うと、いつもドキドキしてしまうのはあたしの方なのだ。 やっぱり、今日も素敵だ! 娘のあたしが、いつもパパとママに嫉妬している。
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