意地悪な天敵

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……もう少し早く生まれてたら、パパにきっと恋をしていただろうな、なんてね……。 「月優、どうかしたの?」 「あのね……」 「うん、悩み事? 少し、話を聞こうか?」 とパパはベッドまで戻ってくる。 そしてあたしと並んで、ベッドの淵に腰を下ろした。 病院から帰ってきたばかりのパパはまだスーツ姿だ。 ……ママが選んだネクタイを、いつも締めている。 「月優ね、」 「うん」 「胸がないの……」 普通はこういう悩みって、女親に相談するものかもしれない。 けどあたしは、迷う事なくパパに相談してみた。 ……少し、パパの反応を見たいっていうのもあったんだ。 「えーと、」
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