371人が本棚に入れています
本棚に追加
「ママ、月優ね……」
「うん」
「好きな人がいるの」
「そうなの?」
ふふふって可愛らしく微笑んだママは、そのキレイな手をあたしの頭部に持ってくる。
そのまま優しく撫でてきた。
「もしかして、ママの知ってる人?」
「うん」
と頷いたけど、とても惨めになって、目線を落とすと唇を噛み締める。
……何も知らないママは、言葉を続ける。
「もしかして、渉斐クン? それとも朱海クン?」
「ち、違うよっ」
「じゃあ……」
「パパだよッ!!」
のほほんとしたママの言葉に苛々したあたしは、咄嗟に立ち上がる。
「え、パパなの?」
「う、うん!」
最初のコメントを投稿しよう!