意地悪な天敵

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ママに嫉妬して、パパを誰にも取られたくなくて、思わずそう叫んでしまったこのあたし。 ……ベッドへ座ったままのママの反応が怖くて、思わず目を逸らした。 パパを好きなんて、馬鹿みたい。 そんなの永遠に叶う訳がないのに。 「そっかぁ、パパはとても素敵だものね」 と言ったママは、どこか嬉しそうに微笑んでいる。 「ママ、怒らないの?」 「あら、どうして?」 「だってパパなんだよ? 月優の好きな人はパパなんだよ!?」 「いいんじゃない?」 ママはそう言って、立ち上がった。 “いいんじゃない” ……って、どう考えても良くないでしょ? 本当に、ママは天然だ。
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