意地悪な天敵

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そこで。 「でもね、月優ちゃん」 「え?」 とあんなに穏やかだったママが急に真顔になるから、ゴクリと生唾を呑み込んだ。 「その“好き”は、男としての“好き”じゃないと思うの」 「え?」 「いつか、ママの言っている意味が分かるはずよ?」 それだけを言ったママは、背を向けて部屋を出て行った。 ……男としての、“好き”。 それって、どういう意味なんだろう。 ―――… あたしはとにかく、バスルームでの出来事を忘れる事にした。 蚊にでも刺されたと思って、水に流す事にしたのだ。 それから気持ちを落ち着かせて、リビングに向かう。 するとすでに食事の準備は出来ていて、ママと桜おじちゃんの彼女さんがお皿を運んでいた。
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