371人が本棚に入れています
本棚に追加
そこで。
「でもね、月優ちゃん」
「え?」
とあんなに穏やかだったママが急に真顔になるから、ゴクリと生唾を呑み込んだ。
「その“好き”は、男としての“好き”じゃないと思うの」
「え?」
「いつか、ママの言っている意味が分かるはずよ?」
それだけを言ったママは、背を向けて部屋を出て行った。
……男としての、“好き”。
それって、どういう意味なんだろう。
―――…
あたしはとにかく、バスルームでの出来事を忘れる事にした。
蚊にでも刺されたと思って、水に流す事にしたのだ。
それから気持ちを落ち着かせて、リビングに向かう。
するとすでに食事の準備は出来ていて、ママと桜おじちゃんの彼女さんがお皿を運んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!