意地悪な天敵

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「お風呂よ。ほら飲むと、入るの面倒になるでしょ?」 「ふーん」 飲むと、って事は、パパもお酒を飲むんだ。 パパ、弱いのに……きっと、桜おじちゃんの付き合いなんだね。 もう、パパを酔わしたら、承知しないんだからっ! ……そう思いながら、あたしは遠くの桜おじちゃんを思いっきり睨んだ。 「何だ、何だ?」 いきなりあたしに思いっきり睨まれたものだから、桜おじちゃんが苦笑いをしている。 桜おじちゃんは、一人で先に飲み始めているのに全然酔っていない。 ……お酒が相当強いらしい。 「べーつに!」 「月優、お小遣いが欲しいのか?」 「え? くれるの!?」 「久々だからな、やろうじゃないか!」 現金なあたしは、“お小遣い” と聞いただけで目が輝く。
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