意地悪な天敵

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まるでここにいるあたしを手招きでもするかのように、耳に入ってくるシャワーの音。 ママ……こんな時間にシャワーを浴びてるの? 「……ママ?」 と躊躇う事もなく、バスルームのドアを開ける。 ……中のガラス窓に人影が映っていた。 シャワーの蒸気で濁った室内。 すぐ傍の洗濯機の上に置かれた衣服に目をやって、目をまんまるにした。 違うっ! ママの服ではない。 明らかに分かる“男物の服” その瞬間、 ……ガチャッ! 何の前触れもなしに開かれたドアの音に身を凍らせた。 「お前……」 ……同時に自分に投げかけられた言葉に、身体が固まってしまう。
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