愛のトリック≪３≫おまけ*無料*

意地悪な天敵

「お前さぁ……見られた奴より見た奴が悲鳴あげるってどうよ？」

「きゃっ……むぐっ」

あたしはもう一度悲鳴をあげそうになったけど、そう言われてその言葉を思いっきり呑み込んだ。

……確かにその通りだ。

見たのはあたしの方なのだから。

「ごっ、ごめんなさい」

素直に謝りつつも、何で自分の家のバスルームに入って

たまたま入浴中の生徒会長と顔を合わせて、あたしが謝らなきゃならないのか意味が分からなかった。

だって、そもそもどうしてあなたがあたしの家にいるのよ？

……あたしが何かを言いたそうな顔で見ていたのか、ニヤリと意地悪に笑う生徒会長。