意地悪な天敵

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「説明してやろうか?」 「っう……」 「俺がこの家に居る訳が知りたいんだろう? それと、シャワーを浴びてた理由もついでにさ……」 と鋭い瞳があたしのオドオドした瞳と合わさる。 ……やっぱりこの人の目、嫌いだ。 顔は笑ってるのに、ちっとも目は笑っていない。 笑顔を作ってるのに、演技にしか思えない。 「知りたくないなら、別にいいけど」 と言って生徒会長はあっさりと引き下がる。 もう少し何かを言われると思ったあたしは、かなり身構えていた。 でも生徒会長は、廊下を突き進んでリビングへ向かっていく。 まるであたしの方が他所の家に来たみたいに、そんな彼の後を追いかける。
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