勿体無き

10/20
前へ
/395ページ
次へ
「いえ、その他のタオルの色がブラウンやベージュ系ですので、そのどちらかの色でないと浮いてしまうかと。」 「成る程ね。じゃあ、そっちに任せるから後で業務用カタログから発注しといて貰える?」 言ってみるもんだな。 「他に何かありませんか?」  霧山さんが腕組みをしたまま皆を見渡す。  皆は相変わらず視線を落としたままだ。 「では、もう一つよろしいですか?」  誰も意見を言おうとしないことを確かめてから、私は再び挙手した。  一度目の時と同様に霧山さんが私を当てる。
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1705人が本棚に入れています
本棚に追加