勿体無き

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 再び霧山さんが皆に意見を仰いだが、皆の反応は先程の光景のリプレイだった。 「ホンット大人しいなあ、ここの子達はっ! 本店の子達なんか毎回好き放題言ってくるのにっ!」  探偵魔王の十八番であった『他人と比較バスター』と違い、霧山さんのそれは全く嫌味のない口調だった。 純粋に本部とのギャップに面食らっているようだ。  ここに来て、ニサンの店長である雪野さんが、オットリとした口調で話し出した。 「皆、気は強い筈なんですけどね……。それに、基本的に変わった子ばかりです。」 「…………雪野さん、何で今チラッと私の方見たんですかっ?」 『変わった子』のくだりで、思いっきり雪野さんと目が合った為、思わずツッコむ私。 途端に皆が一斉に吹き出し、場の空気が和らいだような気がした。
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