看病

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 昔から馬鹿力だったが、アロマの仕事のお陰でそれに磨きがかかった私は、この日もコンビニの備品を破壊してしまった。  既にデストロイヤーとしてコンビニでも名を馳せていたが、その壊し方が、前代未聞だった為 先輩の禊(みそぎ)さんからは爆笑されるは 那智店長からは呆れられるは、散々だった。 「那智店長、すみません……」 「なんだこれっ?! ありえねえだろっ!?」 あまりにも有り得ない壊れ方に、那智店長も半笑いだ。 「ずびばぜんっ……」  上半身を九十度に曲げて詫びを入れる私を尻目に、那智店長は備品の修理に取り掛かっていた。 「どうなってんだコレっ? こうか?」  試行錯誤の末、何とか備品は直った。  改めて頭を下げる私に 「ほら! もういいから休憩行きなっ!」 と、休憩を促す那智店長。  那智店長のこういうサッパリした所は大好きだが、それだけに罪悪感が強まる。 店長に修理させておいて呑気に飯食うなんて……
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