看病

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 揉み過ぎない程度にほぐすと、私は水を掬うように丸めた掌で那智店長の肩をに叩き、仕上げに入った。  空砲のようなパンパンと言う音が、休憩室でリズミカルに鳴り響いた。 「お疲れ様でした!」 「ありがとうございます!」  肩を軽く撫でて私が終わりを告げると、那智店長が首だけをこちらに向け、珍しく敬語で礼を言った。  那智店長から敬語を使われるのなんて、ラスクやチョコを分けてあげた時くらいしか覚えがない。 あん時、那智店長ってば半分スキップで部屋から出てったっけ……
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