看病

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 禊さんは私が九年間片想いした人のことを知っている。 私がどれだけその人を好きだったかも。  それだけに藍田さんの一件を話した時は、禊さんも大層驚いていた。 「へえーっ! アンタもそんな風に普通に誰かを好きになることあるんだねっ!」 「や、そんなんじゃないッスよ! 何て言うか、飼い主が帰ってこなくて鳴いてるペットみたいな感じッス!」  私がどれだけこの複雑な感情を何かに例えて説明しても、禊さんはイコール恋愛と言う意見を曲げなかった。
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