看病

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「違いますって! だって私、藍田さんの為に死ねるかっつったら無理ですもん!」 「いや! それはアンタの好きの基準が高過ぎなだけであって、一般的に見たらそれは好きだよ!」 『一般的に』 この言葉を出されると私は弱い。 自分が変人であること、普通とズレていることは大いに自覚しているからだ。  どう返していいかわからず、私は言い淀んでいた。 「ちょっ! アンタ、恋愛の話の時だけそういう雰囲気になるのやめてくんないっ?!」 「ぶぅゎはっ?! 待ってくださいっ! 雰囲気コントロールするってハイレベル過ぎやしませんかっ?!」  思わぬ方向からの追撃に、危うくご飯粒を喉に詰まらせそうになった。 いつもならズケズケ言い返す私の返答に困っている様が、余程珍しいらしい。
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