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メール編集画面を開いたまま、私は固まっていた。
あれ程会いたいと渇望していたにも関わらず、今更あらゆる不安要素がシミのように浮かび上がってきた。
――――営業と思われたらどうしよう……
挨拶した時、最後までニサンに行くことを言わなかったのは、営業と思われたくなかったから。
それを言えば、一番伝えたかった『ありがとう』の気持ちが、只の建前になってしまうような気がして……
だから今もし連絡して、あの時伝えた気持ちを台無しにしてしまうことになるのが、怖かった。
それに、非常識なことをして嫌われてしまうことも怖かった。
無意識の内に手が震え、鼓動に合わせて体が熱くなる。
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