だから私は……

23/29
前へ
/395ページ
次へ
 二桁近く呼びだし音がなっても、ハルは出ない。 きっと今忙しいのだろう。  私が車から降りるべく、荷物をまとめていると、ハルから電話がかかってきたので、すぐに出た。 「もしもし?」 「もしもしぃ? ソフィア~? 私よお? ハルよおん? 」 何で携帯なのにわざわざ名乗ってんだ…… それにこの声…… この喋り方…… 「お前…………ほにょぴ~だろ? 」 「ブッ?! ほっ、ほにょぴぃ~? だあれそれぇえんっ? 私はハルよお~ん? 」 ほにょぴ~の不意打ちのお陰で、先程の哀愁はどこへやら。 職場で上手く笑えるか不安だったが、今、素で笑えていた。
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1705人が本棚に入れています
本棚に追加