得体の知れない恐怖

3/26
前へ
/395ページ
次へ
 通話を切ってから五分も経たない内に中田さんはやって来た。  ニサンのドアを潜った中田さんを見て、私は確信した。 小柄でぽっちゃりとした体型に、爆○問題の田○さんそっくりの顔立ち…… 間違いない。 ソラリスに来てた中田さんだ……  ソラリス時代、私も何度か担当したことのある中田さん。 私がどれだけ一生懸命施術や会話したりしても、一度も指名してはくれなかったが、接していてとてもいい人だったのを覚えている。  だが、ある疑惑がこの人にはあったのだ。 うちの店や、セラピストの中傷をネットでしているかもしれないと言う疑惑が……  この疑惑の為、私は中田さんの来店を素直に喜べなかった。  マッサージが好きな人は色んな店に通っている為、ソラリスのお客様がニサンに来ることはそう珍しくない。 中田さんもその一人だと思っていた。 ――――この時は……
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1705人が本棚に入れています
本棚に追加