得体の知れない恐怖

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「あの電話番のオジサンが嫌いだったからなんだよ。」 電話番のオジサン…… イコール店長…… 納得。 歴代のセラピストだけでなく、お客様からまで…… 店長、大人気だな。 「いつも電話したら “はあ? 今からあ?” みたいなこと言って、偉そうにしてて……何様だって思ったよっ! 」 こうやって話している口調からだけでも、中田さんの不快度八十パーセント越えのメーターが見えそうだった。  私も幾度となく店長からこき下ろされてきた人間だ。 中田さんの怒りは痛いほどわかる。  しかし、まだ中田さんの狙いが何か解らない以上、迂闊に同意するのは危険と判断し、私は無難に流すことにした。 「そうだったんですかあ……」 次来るであろう店長への批判を、いかに流そうか私が考えている時だった。 「あれって、店長がやってるんでしょ? 」
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