得体の知れない恐怖

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「良子さん、元気にしてますか? 」 月並みな台詞だが、今最も気になっていることだった。 お約束通り、中田さんがそれを肯定するであろうと想像はついていたが、それでも聞かずにはいられなかった。 「まあ、ね……」  この濁した言い方に僅かな違和感と大きな不安を感じた。 「と、言いますと……? 」 何かある。 確信していた。 「健康面では元気なんだろうけど……精神面で、ね……。 実は、良子さん…… 今だに嫌がらせされてるらしいんだ。」 誰から? そんな疑問符が愚問に思える程、犯人は決まりきっていた。 「店長から……です、か?」 案の定、中田さんはそれを肯定した。
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