得体の知れない恐怖

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「そう言えば、あの田丸さんって子、店長と怪しいんだってね?」 思い出したように紡いだ中田さんの台詞に、心当たりはあった。  遥かに付き合いの長い私より仲良く店長と話す姿は、まるで恋人のようだった。  店長も私やもう一人いた新米さんには内緒にしていた機密情報を、田丸さんにだけは伝えていた。  帰りも駐車場は同じ筈なのに、田丸さんと店長だけ別方向へと歩いていた。 「良子さん、疑心暗鬼になってるみたいなんだ。 自分が話した内部事情がネットに書かれてて……田丸さんが店長に情報流してるんじゃないかってね。」 それは……有り得る。  私もソラリス時代に似たようなことを何度かされた経験がある。
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