底知れぬ怒り

12/20
前へ
/395ページ
次へ
「勿論ですよ! 私を信じてください! ……とは、敢えて言いませんっ! 」 私が冗談ぽく返すと、良子さんはこの日初めて声を出して笑ってくれた。 「まあ、あそこまでぶっちゃけて話してたなら大丈夫でしょっ! 」  年単位の付き合いの人間から、あれだけ酷い裏切りを受けても私を信じてくれたことが嬉しかった。 だから私も良子さんを安心させたかった。 「ありがとうございます! ……もし、私が裏切るようなことがあれば、私の話した情報をどのように使って頂いても構いません。」 「はははっ! ソフィアさんなら大丈夫でしょっ! 」 こんな嬉しいこと言われちゃ、例え裏切るつもりだったとしてもできないや。
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1705人が本棚に入れています
本棚に追加