底知れぬ怒り

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 互いが肺活量の限界を迎える頃、良子さんが息を切らしながら漸く本題を切り出した。 『予約って……何時からだった? 』 「えっ? 来月の🌕日の五時だった筈ですけど……」 「………………ふっ ……ハッハハハハハハハハハハッ! 」 ついに良子さんが壊れたのかと本気で心配した。 「えっ?! ちょ、どうしたんですかっ?! 」 「ごめんごめん! 私、ソフィアさんの予約間違えてたっ! 」 まだ笑いが治まらない良子さんの回答を聞き、漸く私は事態を把握した。  つまり、良子さんは私が今日来ると勘違いしていたのだ。  しかし一向に私が来ず、心配になって電話し、スクラッチに至ると。
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