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施術は仰向けから始まった。
私の経験上、仰向けから始まるマッサージは少ない。
この時点で私はこれから始まる施術がどんなものか、期待で胸を膨らませた。
施術内容は、身体の繋ぎ目にあるリンパ節と言う、老廃物や細菌をろ過する装置を刺激するものだった。
リンパドレナージュが普及している今、パッと聞き然程珍しくはない印象だが、それにストレッチが加わり、更なる相乗効果を生んでいた。
まだ片足だけしか施術していないと言うのに、汗をかきにくい私の全身がジットリと汗ばんできた。
これだけでもあの良子さんが信頼を置いている理由がよくわかった。
「凄いですねっ……! もう、汗かいてきましたよっ? 」
私が率直な感想を述べると、好美さんも嬉しそうに微笑んでくれた。
それが取っ掛かりとなり、言葉のキャッチボールが始まった。
やはり私は好美さんとウマが合うようで、私は禊さんと話す時のような安心感を覚えた。
私達の会話が砕けたものになるまで、そう時間はかからなかった。
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